童画家、やないふみえさんの作品を鑑賞しました。
「童画」というと子どもたちに向けた作品のように思っていましたが、大人にとっても見る者の心を温かく包み込み、ほっとするような安心感を与えてくれます。
明るい色彩の使い方が印象的で、まるで夢の中を旅するような気持になりました。
やないさんの作品は、日常の中で見逃してしまいそうな幸福や感動を拾い集め、単に美しさだけではなく、心の豊かさや感性を磨く機会を与えてくれました。
小さな喜びや美しさに気づき感じ取る、貴重な体験になりました。
(発見部)
2024年10月5日(土)午後2時より佐々木吉晴館長の美術講演会が足元の悪い雨模様の中盛況のうちに実施された。
会員以外の方も多く参加していただき感謝申し上げます。
さて今回のテーマは「贋作の話ー抄」ということで、古来から洋の東西を問わず多くの贋作・ねつぞう事件があったことについて何故そのようなことが起こったのか。模写や模倣とは何が違うのか。どのような手口があったのかについて話術巧みに、様々な事例を踏まえてお話いただいた。
贋作とは本物であると偽って何らかの利益を得る行為が行われた時、贋作となる。
大英博物館、メトロポリタン美術館を始め日本の国内外においても後日贋作であることが発覚し展示から外され高額な被害を被った。1900年代以降美術および考古学的に発見されたものが、文化的、学問的そして経済的価値を著しく持つようになり、専門業者による商取引きが行われることが活発になり広く流通するようになった。
今回は具体的事例として「リッカルディー家贋作事件」「ヴァッカー兄弟贋作事件」「ハン・ファン・メーヘレン贋作事件」「滝川太郎贋作事件」「加藤唐九郎贋作事件」の5つの事例をご紹介いただいた。巧みな技術や研究に驚いた。
では真贋の判定は、どのようにすればということになるが、次のようにされている。
様式、技法、主題、構図という直観的判断。次にラベルや文献、来歴という客観的裏付け。さらにX線撮影、蛍光X線分析、放射線炭素14測定による科学的判定。さらに今日ではAIによる判定も活用されているという多岐にわたる大変興味深い内容で、充実したひとときであった。
(発見部)