2025年10月12日[日]~ 12月21日[日]
「教会の長女」か、「革命の娘」か、それとも――。
キリスト教の神の威光に支えられたブルボン王朝に終わりを告げ、新たな時代を照らす光を人間の理性に見出したフランス革命。その理想は恐怖政治へと陥り、多くの犠牲を生んだ末、安定した社会の実現に至ることはありませんでした。
ナポレオンの時代を経て王政が復活し、社会は一定の秩序を取り戻します。しかしながら、その後も一つの問いがフランス社会に突きつけられ続けることになります。すなわち、フランスは「カトリック教会の長女」に戻るのでしょうか、あるいは「革命の娘」となるのでしょうか。社会を大きく二分するこの問いのもと、さまざまな思想や価値観が錯綜し、国家と宗教との関係性はマイノリティーの宗教をも巻き込みながら大きく揺れ動いていきます。
こうしたうねりの中で、美術もまたその姿を変化させていきます。絶対の指針が失われた時代に、何をどのように描けばよいのでしょうか。美術は何を映し出すのでしょうか。そして、美術を美術たらしめる「力」は、どこから生まれてくるのでしょうか。
本展では、フランス革命から20 世紀半ばへと至る時代に焦点を当て、優れた作品の数々を、それを生み出した信仰や社会の変化に沿ってご紹介します。民主主義社会の創設――すなわち人が人の力で社会を作り上げようと模索する時代に、人が作る物に宿る聖性の起源と行方を追いかけていきましょう。
開館時間 | 午前9時30分 ~ 午後5時 (入館は午後4時30分まで) | ||||||
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休館日 | 毎週月曜日、10月14日[火]、11月4日[火]、11月25日[火] ※ただし10月13日[月・祝]、11月3日[月・祝]、11月24日[月・休]は開館 |
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観覧料 |
※( )は20名以上の団体料金 |
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主催 | 宇都宮美術館、下野新聞社 | ||||||
特別協力 | 町田市立国際版画美術館 | ||||||
助成 | 芸術文化振興基金(展覧会助成)、公益信託タカシマヤ文化基金(シンポジウム助成)、公益財団法人ポーラ美術振興財団(調査研究助成) |
関連イべント |
討論型鑑賞会「この絵、すごい?それとも、ひどい?」 11月2日[日]①午前10時〜11時30分 ②午後3時〜4時30分 |
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シンポジウム「ライシテからみる美術、美術史、美術館」 11月23日[日・祝]午後1時~5時30分(開場は12時30分) |
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担当学芸員によるギャラリートーク 10月19日[日]、10月26日[日]、11月15日[土]、11月29日[土]各回午後2時~ |
プレスリリース |
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アンドレア・アッピアーニ
《ルーヴル宮殿でアテナ像の前に立つナポレオン》
1814年頃
東京富士美術館
©東京富士美術館イメージアーカイブ/DNPartcom
ウジェーヌ・ドラクロワ
《聖母の教育》
1852年
国立西洋美術館、
東京国立博物館より管理換え
ジャン=フランソワ・ミレー
《無原罪の聖母》
1858年
山梨県立美術館
ピエール・ピュヴィス・ド・シャヴァンヌ
《聖ジュヌヴィエーヴの幼少期》
1875年頃
島根県立美術館
ジョルジュ・ビゴー
《熱海の海岸》あるいは《熱海にて、日本の漁師たち》
1888年頃
宇都宮美術館
ジョルジュ・デヴァリエール
《善き盗人》
1913年
公益財団法人大原芸術財団 大原美術館
モーリス・ユトリロ
《旗で飾られたモンマルトルのサクレ=クール寺院》
1919年
埼玉県立近代美術館
クロード・モネ
《ラ・ロシュ=ブロンの村(夕暮れの印象)》
1889年
三重県立美術館
ルネ・マグリット
《大家族》
1963年
宇都宮美術館
ジョルジュ・ルオー
《秋の夜景》
1952年
パナソニック汐留美術館